愛知県の約40%は森林に覆われており、猿投山麓も古くから豊かな森林が広がります。
そこで採れる木材は、建材としてはもちろんのこと、
暮らしに身近な家具や道具、工芸品として、そして産業の燃料としても活かされてきました。
本企画では、森林が育んだ文化に焦点を当て、猿投山麓地域を中心とした
愛知県で活躍するアーティストや工芸家、デザイナーを紹介します。
ノミで削り出した軌跡としての彫り跡、丹念に削り磨かれることで美しく際立つ木目の模様。
木に惹かれ、木を素材として用いる作り手は、その性質と自己の表現性に向き合います。
木の魅力が現れる。
私が木によって表れる。
「木」の魅力にこだわり、自らの制作に活かす作り手たちの表現をご覧ください。
1987 | 愛知県豊田市稲武地区生まれ |
2013 | 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科彫刻専攻 修了 |
主な展覧会
2021 | 分水嶺 (AIN SOPH DISPATCH/愛知) |
2017 | 鏡と穴 彫刻と写真の界面 vol,6 ( gallery αM/ 東京) |
2015 | Kensuke Karasawa 2012~2015 ( Star Gallery/ 北京) |
2014 | Pale Light ( 山鬼文庫 / 石川) |
2012 | 変わらぬ地平 ( Take Ninagawa / 東京) |
展示する空間に自立する「彫刻」を制作しているので、造形への意識と同時に、見る人も含めた環境をどのように変容させることができるか模索しています。それは展覧会という特殊な場所だけでなく、普段生活している住居や制作場所にもつながっています。家具や道具の配置、間取りも含めて日常的な空間に彫刻的な視点からアプローチする。作品を置くことや場所に合わせてしつらえることで、限られたスペースを豊かなものにできないか試行錯誤しています。
今回の作品は、主に木を素材としていますが、表面を削るだけでなく内側へ穴を穿つように彫り出し、彫ることで生まれた空間にワックスを満たします。表面があり内部があるという関係を解体し、新たな彫刻の在り方を探っています。
1982 | 愛知県豊田市生まれ |
2006 | 愛知県立芸術大学彫刻科 卒業 卒業後、家具工房で6年間勤務し、木工の家具や小物等の制作を行う |
2012 | 地元・小原に工房を構え、独立 |
現在 | 個展を中心に活動。各地で開催 |
木目、色、重さなど、木の本来の美しさを大切にしながら製作しています。鑿や鉋、ヤスリなどで刳り、削り、磨いています。時間はかかります。また、一目でわかるものではありませんが、手に取ると優しさと柔らかさ、温もりを感じ取っていただければ嬉しいです。お気に入りの器に、いつもの料理を盛って、ちょっと心が躍る、そんな日常が潤うような器を作っていきたいです。
今回の作品は、かしこまらずに、日々日常の生活の中で使ってもらいたいです。材木は杉、欅、楡、栓など。仕上げは無塗装と鉄媒染、拭漆。
1970 | 愛知県豊田市生まれ |
1994 | 愛知県立芸術大学美術学部彫刻科 卒業 |
1997 | 愛知銀行愛銀教育文化財団 個人助成 |
主な展覧会
2021 | 個展(ハートフィールドギャラリー) (`01`03`06`09`14) |
2020 | 個展(ガレリアプント) |
2020 | 個展(ギャラリー noivoi)(`13`16) |
2008 | 人がつくる、ひと (文化フォーラム春日井) |
2008 | 現実の非現実のハザマで (安曇野豊科近代美術館) |
2003 | 現代美術のポジション (名古屋市美術館) |
主な受賞歴
2013 | あさごアートコンペティション2013 奨励賞 |
2006 | Vermont Studio Center Asian Artist Felowship Winner |
私の作っている物は人でもなく、動物そのものでもない曖昧な存在で、私の分身。その時の気持ちを代弁して、歌い、泳ぎ、泣きながら彷徨っている。私達の世界の価値観は、何が正しいのか、正しくないのか、正直解りにくい。私が見ている世界はきっと、あなたの見ている世界と同じではない。見えるものが人それぞれ違うのだから、表現について、制限はしたくない。(猿投山には5年程住んでいました、素晴らしい自然環境でインスピレーションを沢山感じました。)
ここ2年ほど、「地底湖」をテーマに制作してきました。京都の知人から「京都の地下には琵琶湖よりも大きな湖が存在する」という話を聞いてイメージがムクムクと沸いてきたからです。毎月滋賀県に法事で行っていて琵琶湖を見るのですが、その琵琶湖のソヨソヨと葦を撫でる風が、水面に潜り、真っ暗な地下の奥深く、亡霊のような世界に私の脳を持って行きました。そこは色のない、空も太陽も見分けがつかないような世界で、あらゆる生物の残像が住む、もののけの世界です。今回の作品もこのシリーズの一部になります。
2013 | 愛知県立芸術大学大学院美術研究科 彫刻領域 修了 |
現在 | 瀬戸市に工房を構え制作 |
主な展覧会
2020 | ここにゆる (JILL D’ART gallery/愛知) |
2019 | Retrospect. Repose. Redefine. (dia.lo.gue art space/インドネシア) |
2019 | Exhibition by Haguri Sato (Albergue SCM/マカオ) |
主な受賞歴
2021 | Any Kobe with Arts 大賞・ ターナー賞 |
2018 | UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka シーズンラオ審査員賞、 イグナティウス・ヘルマワン・タンジル審査員賞、吉田達司レビュアー賞 |
ただの木の塊が「ある」という認識から、自ら木に手を加える事によって何かの生命が「いる」という認識に変わる瞬間に一番の喜びを感じて制作を続けている。追い求める形は年齢と共に変化してきたが、その命を彫り出したいという欲求が私の制作の動機であることに変わりは無い。
今回の作品は、すべては水をイメージした空想の世界の住人だ。水面近くに漂うもの、海底あたりに潜むもの。虚空を見つめるような人物も他の生き物と同じ、その世界に漂うただの命である。
1964 | 大阪府生まれ |
現在 | 愛知教育大学教授 |
主な展覧会
2021 | 個展(大府市歴史民俗資料館)(おかざき世界子ども美術博物館)(半田空の科学館) |
2019 | 個展(安城市民ギャラリー)(浜田市世界こども美術館)(わらべ館) |
2018 | 個展(東京スカイツリー) |
主な受賞歴
2020 | Trends 2020 (ドイツ・フランクフルト Ambiente winter 2020)〈企業とのコラボ〉 |
2019 | destination:new (アメリカ・ニューヨーク NY NOW summer 2019)〈企業とのコラボ〉 |
2012 | グッドデザイン賞 〈企業とのコラボ〉 |
1990 | 第3回全国ウッドクラフト公募展 ウッドクラフト大賞 |
私は、普段の制作の中で、①作品がオリジナルであること②ユニークな動きを見付け出して作品に仕上げていくこと③作品に触れて遊んで頂く方々が驚いたり笑ったりしてくださるような作品を作ること、の3つを大切にしています。そのために、私は制作のときには、最初からあまり作品の形や動きをイメージしないこと、考え過ぎないことを大事にしています。頭で考えてしまうと、どこかで見たり触れたりしたような作品を思い出してしまうからです。実際の制作では、身の周りにいろいろな形をした木・木片・板材・角材などたくさん用意しておいて、それらを組み合わせて転がしたり落としたりする試行を何度も繰り返して、その中でユニークな動きを見付けていきます。
1987年からGRAVIMORPH(重力によって動く造形)というテーマで、木のおもちゃを作り続けています。その木のおもちゃの制作では、自然の力である重力によって転がったり落ちたりして動くこと、そしてその動きが試行錯誤する中で出合ったユニークなものであることという点を大切にしています。普段、私自身が制作する作品は、全長60㎝程度の大きさのものです。その後、この作品をもとに、豊田森林組合さんや根羽村森林組合さんにお願いして全長3m程度の大きな作品にして頂いています。今回の展覧会では、全長3m程度の大きな木のおもちゃを展示させて頂きました。実際に重力によって動く木のおもちゃに触れて遊んで頂いて、ものの形と形が生み出すユニークで不思議な動きと木の音を楽しんで頂ければと思います。
1987 | 愛知県名古屋市生まれ |
2009 | 愛知教育大学 生涯教育課程 造形文化コース 卒業 |
2011 | 愛知県立芸術大学大学院 美術研究科 美術専攻デザイン領域 修了 |
現在 | 愛知県立芸術大学講師 |
主な受賞歴
2018 | 第11 回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション 審査員特別賞 |
2016 | 工芸都市高岡クラフトコンペティション ファクトリークラフト部門 グランプリ |
2008 | Tokyo Midtown Award 2008 デザインコンペ グランプリ |
2008 | BOMBAY SAPPHIRE Designer Glass Competition 2008 日本グランプリ |
デザインの活動をするにあたって指針にしていることが三つある。一つ目は相手を思いやること。相手とはデザインした製品の使い手であり、また協働する相手のことでもある。二つ目は先入観を捨てること。そして三つ目は本音に素直であること。どれもやればやるほど簡単にはいかないことを痛感するばかりだが、自分自身がなるべくニュートラルな状態でいることで向かうべきデザインに少しでも近づいていきたい。
今回、二つの伝統的工芸品との取り組みを出品する。はじめて取り組む相手の場合、まずはデザインの対象について正確に把握することに時間を費やす。素材や技法などの基本的なことはもちろん、由来や変遷といった歴史背景、流通の経路、社会における一般的な認識、そして現在抱えている課題などを可能な限り多角的に把握する。これにより対象の特徴が客観的に理解されていくと同時に、その産地でしか成し得ない、その産地だからこそ行うべき唯一無二の新しいものづくりがはじめて可能になると考えている。
※お知らせ
「愛知県まん延防止等重点措置」の実施に伴い、イベントの内容が一部変更となっております。
※中止となりました
1月29日(土)9:00-
本展示に先駆けて、樋口一成氏の「木のおもちゃ」作品を先行展示いたします。
作品には実際に触れ、遊んでみることができます。
※中止となりました
1月29日(土)10:00-10:30
演奏:豊田市立藤岡南中学校
1月30日(日)10:00-10:45
演奏:豊田市立猿投中学校
地域の中学生たちが、小規模編成で吹奏楽の演奏を披露します。
定員50名/申し込みは定員に達しました
※中止となりました
※ワークショップ材料を無料でお持ち帰りいただけます
2月27日(日)10:00-15:00
協力:愛知県豊田加茂農林水産事務所林務課
間伐材に絵を描き、小原和紙を貼ってかざるクラフト体験。
体験時間は1時間程度。申し込み時に希望時間をお伝えください。
定員50名
2月27日(日)13:30-15:00
出展作家もしくは主催者による作品の解説を行います。
以下のフォームからお申し込みください。
企画展名 | 猿投山麓文化交流事業 「木のあらわれ」 |
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会場 | 猿投棒の手ふれあい広場 (愛知県豊田市猿投町別所23-1) |
会期 | 2022年2月5日(土) 〜2月27日(日) |
開館時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 無料 |
主催 | 猿投棒の手ふれあい広場、SHIMAYAGI ART |
協力 | 愛知県豊田加茂農林水産事務所林務課、豊田森林組合 |
協賛 | (公財)高橋記念美術文化振興財団 |
お問合せ | 猿投棒の手ふれあい広場 0565-45-7288 SHIMAYAGI ART 090-9898-6088 |
猿投山を取り巻く各都市の文化交流を目的に2018年より行われている事業です。
第1回「棒の手」、第2回「猿投古窯」、第3回「風景と写真」をキーワードとしました。
第4回目となる今回は「木」をテーマとして、豊田、瀬戸、刈谷、長久手の作り手6名による企画展示を行います。
愛知県豊田市猿投町別所23-1
TEL.0565-45-7288
猿投棒の手ふれあい広場 公式HPへ
自家用車でお越しの場合
■ さなげグリーンロード
「猿投IC」から5分
■ 東海環状自動車道
「豊田藤岡IC」から5分
公共交通機関でお越しの場合
■ 名鉄「豊田市」駅からバスで約30分
「とよたおいでんバス」藤岡・豊田線
「棒の手広場前」下車